正直、ちょっと期待しすぎた?つかみどころがなく終わってしまった「ベイビーブローカー」

2022年製作/130分/韓国
監督:是枝裕和 主演:ソン・ガンホ
BLENDA:3.0 Yahoo!映画:3.4 映画.com:3.6
ライター:S・Y

是枝監督がはじめて手がけた韓国映画。そして主演はソン・ガンホということで、絶対ハズレはないと思い、ずっと観たかった映画。第75回カンヌ国際映画祭で主演のソン・ガンホが韓国人俳優初の男優賞を受賞し、正当に評価もされている作品です。
なのですが、、私個人的には、楽しみにしすぎたのか正直ちょっと肩透かし。ソン・ガンホをもっとソン・ガンホたらしめる使い方して欲しかったなー、ちょっともったいないです。
「万引き家族」で是枝監督をリスペクトした私ですが、そういえば、あんまり他の作品でいいと思ったものがなかったことを思い出しました、、万引き家族があまりによかったのでこれ1本で是枝監督イコール最高、と思い込んでいたのですが、少し目が覚めました。あ、そうか、是枝監督ってこういう人だったんだ、と。ということはつまり、是枝監督の作風とソン・ガンホがマッチしないという結論。
相変わらずソン・ガンホおじさんの演技は最高でした。その存在感、演技力。でもソン・ガンホはもっともっと面白い存在のはずなので、もっとソン・ガンホをソン・ガンホらしく描いて欲しかったです。
まだ私は1回しか見ていないので、正直理解できていない部分も多く、2回目を見る必要があるかなと思っています(その時点で私的には刺さっていない)。女刑事二人の背景もよく分からなくて、あの二人に何をさせたかったのかが分からなくて全然感情移入もできなかったし、産んだ母親の女の子(ソヨン)の自分の赤ちゃんに対する感情もよく分からなかったです。どのシーンが良かったかなと思い出そうとしても、どれもうーんそうでもないなみたいな。
多分、いいシーンと言わせたいんだろうと思った「生まれてきてくれてありがとう」をソヨンがそれぞれに言うシーンも、なんか、ちょっと乾いた目で見てしまいました。。なんでかな、そこまでくるまでにもっと感情移入ができていればもうちょっといいシーンになったのかもしれませんが、全然乾いたままだったので、なんか安いシーンだなと思ってしまいました。。
ラストシーンも、あっそうそうねそうだよねって感じで、うーんなんか最後まで引っかかるところなく終わってしまった感じ。
それでモヤモヤしてて気づいたのです、あ、これが是枝監督なのかと。
詰まるところ、私の期待が間違っていたんだなと。
ただ、やっぱり「タクシー運転手」や「パラサイト」ぐらいの、グッと持っていく演技がソン・ガンホには似合います。あんなおじさんなのに、なんでしょうあの底無しの人間性というか、ダメダメなのに深すぎる人間性が顔に出る瞬間の表情がソン・ガンホなのです。まあ、韓国映画でしか引き出せないのかもですね。
是枝監督が好きな方にはいいのかもですが、ソン・ガンホ推しとしては、ちょっとあまり面白くない1本でした。

でも、赤ちゃんはずっと超かわいかった!
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