ディカプリオの演技が素晴らしい!シエラレオネ内紛の実話ベース「ブラッドダイヤモンド」

2006年製作/143分/アメリカ
監督:エドワード・ズウィック 主演:レオナルド・ディカプリオ
BLENDA:4.2 Yahoo!映画:4.2 映画.com:4.0 Amazon:4.4
ライター:S・Y

第79回、2006年度アカデミー賞では主演男優、助演男優、音響編集、録音、編集と5部門にノミネートされた作品。惜しくも受賞は逃しましたが、個人的には受賞していておかしくない秀作だと思います。
西アフリカのシエラレオネで実際に起こった1991年から2002年の「シエラレオネ内戦」をベースに制作された映画。この紛争は、反政府勢力、革命統一戦線(RUF)と政府軍との交戦で、ダイヤモンドの鉱山の支配権をめぐって大規模な内戦に発展し、7万5000人以上の死者を出しています。
Amazonプライムの作品紹介文が、「1999年、アフリカのシエラレオネ共和国。ダイヤの密輸に手を染める元傭兵と貧しいながら幸せな生活を送る純朴な漁師。交わるはずのなかった二人の人生が、運命に翻弄され動き始める。」とのことで、正直全然引かれなかったため見る優先順位が下がっていたのですが、見て本当に良かった。この説明文、いけてなさすぎ、、
40代女子の憧れの2大ハリウッドスターといえば、ブラピとディカプリオ。私が思うに、ディカプリオが一番かっこいい時代の映像が詰まった1本だと思います。ディカプリオはどちらかというと線が細くて繊細さがあると思うのですが、傭兵の役をこんなに体現しているのにもびっくり、鍛えている体が眩しすぎます!

そして、自分の欲しいものは自分の力で全力でとりに行く、利用できるものは全て利用する、その微塵の遠慮もない姿がかっこいいです。最初から最後まで生命力全開で生きている感じを演じるディカプリオの演技がとても良かったし、このディカプリオの演技を見るだけでもこの1本は見る価値あると思います。

最初は、悪いことも平気でする、平気で嘘もつく、そういうディカプリオでしたが、後半は行動を共にするソロモンにどんどん優しくなり、ソロモンが息子を取り戻すサポートまでします。マディに対しても、最初は警戒心や嫌悪感すら感じる態度をとっていたディカプリオですが、道中マディへの評価が変わり、距離が縮まっていく様子もナチュラルに良かったです。どちらかというとマディの立場を利用しようとしていた感が強かったのが、そこからマディへの態度も変わり、マディを気遣うディカプリオも見れて、そういうところも含めてディカプリオが一番かっこいい映画の1本になっていると思います、男らしいディカプリオというか。

ディカプリオの役は幅広すぎて癖のある役が多いので、こんな感じの正統派男らしいカッコよさを感じるディカプリオは珍しいなと思った次第です。全力で守ってくれそう的な、全力で信じられる、頼れる的な。
そしてそんな心を許したマディに2つ、頼み事をするところも、女心をくすぐるなーと、、遠慮なく他人にどんどん頼み事ができる姿って、とても魅力的。まさに生命力、、、

そんなどんどんいい人になっていくディカプリオ(アーチャー)が最後、ソロモンにダイヤモンドを渡すシーン。「(ダイヤモンドを)横取りしないのか?」「そうだな、チラッと考えたよ」と笑って答える、その後ひとりになって、死際でマディに電話するシーンが一番好きでした。すげえ、いいやつじゃん・・・。死なないで欲しかったなー。


と、ディカプリオの魅力が満載の1本でしたが、作品としても、最初から最後までずっと骨太でした。映像の情報としては映画から得る情報しかないですが、アフリカの内戦ってものすごく残虐で、恐怖の種類が半端ないというか、本当に人を人と思っていない殺し方、それを楽しんでいる風潮があって、なんでしょう、言葉に表せない恐怖、嫌悪感、怖すぎて受け止められない、そんな感じ。ただ普通に銃殺でよくない?わざわざ腕を切断したり、吊し上げたり、物理的な命だけでなく人間の尊厳をわざわざ奪う二度殺しをする。しかも躊躇なく楽しそうに。ヨーロッパの昔の戦争とかもそういうシーン多かったな。中世とか。
「ブラックホークダウン」という映画で、ヘリコプターが墜落した直後のしばらくの静寂のシーンがあって、その緊張感が恐怖すぎて今でのそのイメージだけ強烈に残ってる。その後起こるだろう恐ろしい現実までの静けさの緊張。緊張させるような残虐な殺戮の仕方。アフリカの内戦ってそんなイメージ。性善説なんて瞬殺される。劇中にもそんなやりとりがある。「性善説を信じるか?」の問いにディカプリオが即座に「ノー。人間がいるだけだ。その行動によってのみ人は示される。」と答える。そうだね、そういう人は強い。紛争地では人を信用したら殺されるだけ。

そして印象的だったのは、劇中に何度か出てくるTIA(This is Africa)というフレーズ。これって、何にでも置き換えられるよね、理屈じゃない、理性じゃない、感情じゃない、正論じゃない。そのまま受け止めるしかないこと。そのまま受け止めてそこからどうするか。このフレーズを何度も言わないといけない環境はおそらくいい環境ではないと想像できるけど、それをTIAっていう言い方にするとなんか途端に軽くなるというか。ポジティブな言い換え。私はこのフレーズ嫌いじゃないです。
そういう社会が海を超えたら存在していること、私たちは自分から情報をとりにいかないと知らないまま。そういうことをこういう映画にして伝えてくれることは本当に意義があると私は思うので、実話ベースの映画であればジャンル問わず積極的に見るようにしています。
という意味でも、この映画を見た時間は決して意味のないものではないと思います。
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